バーr……blog のようなもの 2024 年 07 月

07 月 17 日 ( 水 )

PENTAX 17 の使用説明書で一番大事な部分

まだ予約もできてないのに気が早いのですが、PENTAX 17 のスタートガイドと使用説明書をリコーイメージングのサイトからダウンロードして読んでみました。

それで今日の日記のタイトルにある通り、PENTAX 17 のマニュアルで一番大事な部分はここだ、ということに触れておきたいと思います。

結論からいいますと、PETNAX 17 の使用説明書はページ数も少ないので全部目を通しましょうってことにはなるのですが、中でも最も重要なことは 27 ページに書かれています。下の表がそうです。

ゾーンピントが合う範囲
遠距離5.1m ~∞
中距離2.1m ~ 5.3m
近距離1.4m ~ 2.2m
至近距離1.0m ~ 1.4m
クローズアップ
(テーブルフォト)
0.47m ~ 0.54m
クローズアップ(マクロ)0.24m ~ 0.26m

この表が超重要です。なぜかというと PENTAX 17 が解放絞りになったときの被写界深度が書かれているからです。

やはり使用説明書には絞り開放時の最も被写界深度が浅い数字を書く必要があるので、表の数字は F3.5 絞り解放時の被写界深度だと理解すべきでしょう。

あとテーブルフォトやマクロの被写界深度を見ればわかりますが、やはり近接撮影時は物理法則には逆らえずそれぞれ被写界深度は 7cm、2cm と非常に浅くなります。したがって非常にピント合わせがシビアになります。

近接撮影は、スマホのような超広角レンズとデジタルズームを組み合わせて擬似的にマクロ撮影のようなものを実現しているのとは仕組みが全然違って、やはりフィルム・カメラですし本当に光学的な近接撮影になるので、ピント合わせはシビアにならざるを得ません。

対策として外部 LED ライトなどを当てて十分な光量を被写体に当てることで、絞りが絞られて被写界深度がある程度は稼げるかもしれません。それでも被写体が近いほど絞ってもさほど被写界深度は稼げないというどうやっても逆らえない物理法則があるので、マクロ撮影などでは積極的に付属のハンドストラップを使って、被写体との距離をきちんと測りましょう。

テーブルフォトもきちんと距離を測らないと厳しいと私は思います。なんとなくで撮ると恐らくピンぼけ写真になります。テーブルフォト用に測距用紐を DIY するのが確実だと思います。

それとボケモードですが、今日 PENTAX の中の人に確認したのですが、やはりなるべく開放絞りになるように AE がチューニングされているそうです。ですが、当然ながら光線の状態によっては開放絞りであることは保証されません。

なので強い日差しの下でボケモードをで確実に被写体の前後をぼかしたいときは ND フィルターを使って、絞りが開かれるようにするようなハックも必要になることがあるかもしれません。

それと被写体の背後に太陽などの明るいものがあると、当然絞りは絞られてしまいますので、そういった明るいものを背景に置かないというフレーミング上の工夫も必要になると思います。

あと個人的には Auto モードは使わないと思います。

なぜかというと Auto モードではゾーンフォーカスの設定がカメラによって無視されるからです。このことも今日 PENTAX の中の人に確認しました。

Auto モードは 1m 強から無限遠までのパンフォーカスになるべくなるようにチューニングされているとのことです。これは恐らく写ルンですのような使い方を想定しているのでしょう。ですがやはり光線状態などによりそれは保証されないとのことでした。それはそうだろうと思います。

これは例えば観光地で記念撮影をしたときに、手前の人にはピントは来てるけど背景の風景にはピントが来ないことがあるということを意味します。その逆も当然あるかもしれません。

人と背景にパッチっとピントが合ってる写真が欲しいときに、どちらかがボケてたら嫌じゃないですか。それだったら自分は P モードで上の被写界深度表を元に、人にも背景にもピントが来るようにカメラを調教したいです。

まぁ 35mm 換算で 37mm の広角レンズなので、大抵は Auto で大丈夫だとは思います。思いますけど、旅行なんてそんなホイホイ行けないじゃないですか。やっぱり私は失敗のリスクは減らしたいです。

それともう 1 つ。

フィルム写真愛好家の習慣として撮影データを残すというのがあるじゃないですか。まぁ天気は写真を見ればわかります。わからない写真もあるとは思いますけど。でここで言うデータというのはシャッタースピードと絞りです。

PENTAX 17 では残せません。フル AE なので撮影者はシャッタースピードも絞りも知りようがありません。

昔のフィルムカメラの中にはパーフォレーションの辺りに絞りとシャッタースピードを刻印するような機種も少なくありませんでした。PENTAX 17 にはそれはありません。なのでシャッタースピードと絞りの値は残念ながら一切記録できません。

PENTAX 17 はそういった作品として写真を撮る人向けには作られていないということです。なのでデータを残しておきたい人は、将来発売されるかもしれないフィルム・カメラを待ちましょう。我々は待つことしかできないので。

釈迦に説法だということは重々承知していますが、そのカメラを知ることは失敗を減らすことにダイレクトに繋がります。これは令和の今でも変わりません。