タイトルのとおりなのだけど、下の新聞記事を読んで改めて人里に出没するクマへの対策の困難さを実感した。
まず前提として知っておいて欲しいのが、クマが出没する地域では自治体や地域住民の努力により、もともと以下のような対策を実施していた。
日本ではこのようにしてクマと人間の共存を図りながら人の安全と生活を守ることとの両立を目指してきたし、今でも目指しているのは既知の通り。
人にとっては廃棄対象となるゴミや残存農産物、果樹の徹底的な管理をこれまで進めてきたけれども、ここに来てクマたちは廃棄対象ではない農産物に当然のように目を向け始めている。それを示しているのが丹波新聞の記事ということになる。
これらのクマから農産物を防除するにはハニーポットのようなものを設置してクマから農作物を守るしかないのではと最初は考えた。だがこの方法はだめだ。
ハニーポットを使うことで、人のそばに行けば効率よくエネルギー価が高く美味な食料にありつけると、結果としてクマに学習させてしまうことになる。それは人を恐れなくなり人里に現れる問題個体を大量に発生させることに直結する。農業被害だけではなく人身被害まで誘発しかねない。なのでこの方法ではだめだ。
またクマは非常に優秀な学習能力と他を圧倒する爪と筋肉を持っている。畑を柵で囲ったとしても彼らは容易によじ登るし簡単に破壊する。シカやイノシシのようにはいかない。
現時点では電気柵が唯一有効なようだが、彼らは学習能力が高いので、いずれ回避策を発見してしまうような気もする。人はどうすればいいのだろうか。