北アルプス白馬岳で13日夜、81歳の男性が下山中に道に迷って動けなくなったと通報があり、救助隊員が現地に向かっています。
13日夜8時半すぎ、白馬岳三国境付近で奈良市の81歳の男性が、下山中に道にまとって動けなくなったと本人から通報がありました。
警察によりますと、男性は、11日に単独で栂池登山口から入山し、13日は白馬山荘から白馬大池方面に下山中だったということです。
地元の遭対協の救助隊員2人が現地に向かっています。
男性にけがはないとみられます。
以下報道とは一切関係がないが「三国境」という言葉に対しての自分の反応。繰り返すが報道の内容と報道された遭難された登山者とは一切関係がない話題。
やっぱり三国 (三国境) は天候が荒れてたりガスにまかれたりすると登山道をロストしやすいよなぁ。
実際に三国付近を歩いてみればわかるが、ここでガスにまかれたら結構やばい、と実感する。そして実際に栂池、白馬間で登山者が道迷いで遭難するケースでは、決まって登山者は三国付近で登山道をロストしている。
三国付近は登山者が登山道から外れないようにグリーンロープも張られている。とはいえ天候によっては強風が吹き荒れる稜線上である。そのことに三国も何も変わりがない。
稜線上である以上、登山者が歩いているタイミングで、無事にロープが残っている保証もまったくない。稜線上である以上やはり街と同じようにはいかない。台風などが来てなくても、ある日突然人知れず、強風で設置したグリーンロープがどこかに飛んでいくことも普通にある。山とはそういう場所だ。
行動時間がずれ込んで日が沈んでしまっても三国付近では登山道をロストする危険性が高まる。早出早着は登山の基本中の基本ではある。とはいえ遭難した人もそんなことは百も承知のはずで、昨今のオーバーツーリズム的な状況から早出早着ができるのは稜線上だけという状況になっているのかもしれない。
まったくの推測になってしまうが、最近増加傾向にある遭難事案もバックボーンとしてオーバーツーリズムの強い影響があるのではないだろうか。
通常栂池ルートは営業開始直後の早朝にゴンドラやリフトを乗り継いである程度上に登り、そこからスタートしてその日のうちに白馬山荘なり村営小屋あるは村営のテン場に転がり込むのが一般的だ。だけど最初のゴンドラやリフトで長蛇の列になっていたらそれが難しくなることも十分考えられる。
そもそも栂池ルートの行動は稜線上が中心になる。コースも距離自体が長く、行動時間も長くなる。しかも地上と違って空気が薄い。昔から疲労のためにホウホウの体で、夜の 21 時以降にに山荘に到着する登山者グループがそこそこ見られた。つまりテクニカル的な難しさはなくても、登山行為としてはやはり難しい部類に入る。
今では最初のゴンドラやリフトで時間を食われてしまって、焦って稜線上を歩くことになりかねない。そうするとペース配分をまともに行えなくなり途中でバテてしまうことも十分に考えられる。
最近増えている疲労での救助要請多発の背景として本人の準備不足や高齢化だけでなく、そのようなオーバーツーズムによる登山環境の歪み背景もあるのではないだろうか。